技術紹介

分析化学機器等に関する技術的サポートを目的とした記事のページです。

各メーカーが自社製品の紹介のみならず、新たな使用方法、より高精度な測定を目指す手順など、実践的な方法を紹介する報文を掲載しています。記事のタイトルをクリックすると別タブで記事PDFファイルが開きます。

 

目次

クロマトグラフィー関連

「LC/MS/MSを用いた抗体医薬品の新しい品質管理指標を確立する研究」
(株式会社島津製作所) 〇松原 稔哉,中西 豪,渡邉 淳

 一般的な生物は、タンパク質合成時に材料としてL型とD型アミノ酸分子のうちL型のアミノ酸のみを選択する。それに準じ、生体を構成するタンパク質はL型のアミノ酸が鎖状に連結されたものとなる。その一方で、一旦合成されたタンパク質中のアスパラギン酸残基(以下、Asp)が、加齢に応じてD型のAspへと変化する(この際にβ結合型への変化も伴う)ことが報告されている。・・・

キーワード:イオンクロマトグラフィー,高濃度アルカリ,陰イオン,中和,インライン前処理

「高濃度アルカリ中の微量陰イオンの定量
インライン中和‒イオンクロマトグラフィー」

(メトロームジャパン株式会社) 〇小林 泰之,山本 喬久

 イオンクロマトグラフィー (IC) のキーテクノロジーは,サプレッサと低イオン交換容量の分離カラムの2つである。サプレッサは,溶離剤の対イオンを除去して溶離液の電気伝導度を低減するデバイスである。サプレッサの使用により,ppm (mg/L) ~ ppb (μg/L) の微量無機イオンの定量が可能となる。しかし,サプレッサのイオン除去能には限界があるため,低イオン交換容量 (10 ~ 100 μmol/mL) のイオン交換樹脂を用いて溶離液濃度を低減している。・・・

キーワード:イオンクロマトグラフィー,高濃度アルカリ,陰イオン,中和,インライン前処理

「HPLC/UHPLCカラムのエンドフィッティング接続の留意点」
(1株式会社クロマニックテクノロジーズ,2株式会社バイオニック) 〇長江 徳和1,塚本 友康1,小山 隆次1,シーラ 悦子

 HPLC/UHPLC装置は吐出ポンプ,オートサンプラー,インジェクター,カラム,検出器間を1/16インチのステンレススチール配管などで接続されており,配管の容量や,接続部で発生するカラム外容積はカラムの性能に大きく影響する事が知られている。本稿ではカラムのエンドフィッティング接続での間違いやトラブル回避方法やエンドフィッティング規格に関わらず接続可能な配管の評価などを紹介する。・・・

キーワード:HPLC, Fitting, Ferrule

「アルキル基型逆相固定相の保持のメカニズムについて」
(株式会社クロマニックテクノロジーズ) 〇長江 徳和,塚本 友康,小山 隆次

  現在は,クロマトグラフィーを最初に提唱したロシア人植物科学者Tswettの1903年の論文発表から100年以上経過し,また1969年のKirkland らによるHPLC (High Pressure Liquid Chromatography)の発表から50年以上経過しており,分離分析の手法としてクロマトグラフィーは欠かす事のできないものとなった。クロマトグラフィーの分離モードの中でも逆相クロマトグラフィーは使用頻度が高く汎用性の高い分離分析技術である。・・・

キーワード:HPLC, Reversed phase, Retention mechanism.

「逆相カラムBiphenyl,PFPおよびPFP&C18の分離特性」
(株式会社クロマニックテクノロジーズ) 〇長江 徳和,塚本 友康,小山 隆次

  逆相クロマトグラフィーでは,C18(ODS)カラムは保持時間が長く,耐久性が高く,さらに多くの応用例が発表されている事などから,多くのクロマトグラファーが使用しており,汎用性の高いカラムである。しかし試料によっては,C18カラムでは分離が難しく,他の固定相のカラムを用いると簡単に分離できる場合もある。C18固定相と分離選択性が異なる固定相して,C30固定相,Phenyl固定相,Biphenyl固定相,Pentafluorophenyl(PFP)固定相,Cyano固定相などが知られている。・・・

キーワード:HPLC, Biphenyl, PFP (Pentafluorophenyl).

「逆相クロマトグラフィー用C30固定相の分離特性」
(株式会社クロマニックテクノロジーズ) 〇長江 徳和,塚本 友康,小山 隆次

 逆相HPLCにおいて、長さの異なるアルキル基や、π-π相互作用が働くフェニル基を結合したものなど多種多彩な固定相が使用されている。 数ある固定相の内、最も多用されているものはオクタデシル基を結合したC18 (ODS) 固定相であり、逆相HPLC固定相の主流となっている。 一方、C18よりも長鎖のアルキル基を結合した固定相についても種々研究が行われ、トリアコンチル基を結合したC30固定相については,1987年に牧野ら1)によりオリゴヌクレオチドの分離の優位性や,同じく1987年にSanderら2)によるモノメリックとポリメリック結合の差の評価などが発表されている。・・・

キーワード:HPLC, C30(トリアコンチル基),Aqueous mobile phase, Polar compound.

「逆相クロマトグラフィーにおける100%水系移動相の使用時の問題点について」
(株式会社クロマニックテクノロジーズ) 〇長江 徳和,塚本 友康,小山 隆次

 逆相クロマトグラフィーでは,C18(ODS)カラムは保持時間が長く,耐久性が高く,さらに多くの応用例が発表されている事などから,多くのクロマトグラファーが使用しており,汎用性の高いカラムである。HPLCが開発された1969年から11年後の1980年には有機溶媒を含まない100%水系移動相ではC8カラムやC18カラムは保持の再現性が低く,時間の経過とともに保持が減少する事が発表され,有機溶媒濃度が10%以下の移動相は使用できないとの認識が広まった。1990年以降高極性化合物の分離分析の必要性が高まり,100%水系移動相でも保持の再現性が高い逆相カラムの開発が始まり,C18-AQなどの呼び名のカラムが利用可能になった。本稿では100%水系移動相での保持の低下の原因や対処方法について紹介する。・・・

キーワード:HPLC, Superficially porous particle(表面多孔性粒子),Van Deemter Plot

「シリカ系逆相カラムにおける残存シラノール基の影響および新規エンドキャッピング」
(株式会社クロマニックテクノロジーズ) 〇長江 徳和,塚本 友康,小山 隆次

 ロシア人植物科学者Tswettにより1903年にクロマトグラフィー(Chromatograph)が提唱1)された。これは炭酸カルシウムの粉末を充塡剤とし,石油エーテルを移動相として植物抽出液を分離したものであった。その後,固定相基材または固定相としてアルミナやシリカなどが提唱された。現在はポリマー系とシリカ系が主流であるが,逆相クロマトグラフィーにおいてはシリカ系充塡剤が多用されている。また液体クロマトグラフィー。・・・

キーワード:HPLC, Superficially porous particle(表面多孔性粒子),Van Deemter Plot

「コアシェルカラム:コアシェル充塡剤による高性能化」
(株式会社クロマニックテクノロジーズ) 〇長江 徳和,塚本 友康

 1969年にJ.J.Kirkland1)らが開発した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は分離分析の手法としては最も広く世界中に普及した。発表当時に使用されていたカラムには,直径30 μmから40 μmのガラスビーズなどの表面に0.5 μm程度の厚みの多孔質層が存在する粒子が充塡されていた。これは当時Pellicular(ペリキュラー)型充塡剤1)2)と呼ばれていた。・・・

キーワード:HPLC, Superficially porous particle(表面多孔性粒子),Van Deemter Plot

「LC 移動相汚染に対する新たなアプローチ 移動相クリーニング機能付き LC,LC/MS 用サクションフィルタの紹介」
(島津ジーエルシー) 〇宮嶋晃輔,山口 努,福澤興祐,佐藤友紀

 液体クロマトグラフィー(LC)及び液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)において,移動相に起因する問題に度々直面することがある.例えば,分析試料に由来しないピーク,いわゆる「ゴーストピーク」の出現が挙げられる.また,移動相汚染は以下に示す様々な要因によって生じ,装置汚染も引き起こす原因となる.・・・

キーワード:移動相汚染、ゴーストピーク、サクションフィルタ

「イオン分析への透析法の適用 インラインダイアリシス―イオンクロマトグラフィー」
(メトロームジャパン) 〇小林泰之,山本喬久

 イオンクロマトグラフィー (IC) は,水試料中の無機イオンの測定に広く利用されてきたが,近年は工業原料・材料,食品,生体等の中の無機イオンの定量にも使用されている。これらの試料中には,疎水性有機化合物,高分子化合物,タンパク質,脂質,界面活性剤,色素,重金属等の夾雑成分が高濃度に含まれている。これらの夾雑成分は,保持時間変動やピーク形状の変形等を引き起こし,ときにはカラム充填剤に吸着・蓄積してカラム性能を低下させてしまうこともある。従って,前処理により夾雑成分を事前に除去しなければならない。・・・

キーワード:イオンクロマトグラフィー,陰イオン,高分子,インライン前処理,透析,食品

「有機溶媒中微量陰イオンの定量  インラインマトリックス除去―イオンクロマトグラフィー
(メトロームジャパン(株))○小林 泰之,山本 喬

 イオンクロマトグラフィー(IC)は水試料中の無機イオンの定量法として広く利用されてきたが,近年は,工業原料・材料,食品,生体等の中の無機イオンの定量にも使用されている。特に,半導体製造等で使用される有機溶媒中の微量無機イオンの定量に対するニーズは高い。しかし,試料に含まれる高濃度マトリックスは保持時間変動やピーク形状変形などの妨害1)を引き起こし,ときにはカラム性能を低下させることもある。・・・

キーワード:イオンクロマトグラフィー、固相抽出法、インライン濃縮、マトリックス除去

 

分光関連

「ポータブル蛍光光度計 FC-1 「もっと気軽に蛍光測定」を目指して」
(東海光学株式会社)○熊谷 直也,加藤 祐史

 近年,屋外や実験室以外の場所で実施できる分析装置の需要が高まっている。従来,実験室で行うような分析をその場で実施できれば,現場で採取した新鮮な試料を計測できるため,試料の搬送時に生じる可能性のあるコンタミネーションの影響無く測定を行うことができる。・・・

キーワード:蛍光光度計,3Dプリンティング,ELISA,CRP,高感度

「溶媒抽出-非分散赤外吸収法による油分分析」
(株式会社堀場アドバンスドテクノ)○高坂 亮太

 油は、食用、生活用品、燃料としても使用されている我々の生活に欠かせない物質である。一方、多岐にわたる用途・場所で使用するので、それぞれの用途に応じて油分を適切に管理する必要がある。工場排水のような水中の油分分析には、水と油が混ざりにくい性質を利用した溶媒抽出法が適している。・・・

キーワード:

「高エネルギー分解能1次元検出器を備えた最新卓上型XRD装置
─いつでも,どこでも,どなたにも使えるXRD─」

(ブルカージャパン株式会社)○岡崎 壮平,森岡 仁

 1895年にRöntgenにより発見されたX線は,医療や手荷物検査で知られる,透過力の高い電磁波である。その一方で,材料の結晶構造情報や元素情報を得ることもでき,材料研究・開発・製造の場でも広く活用されている。・・・

キーワード:X線回折、XRD、材料評価、構造解析

「高速・高分解能なレーザー走査ラマン顕微鏡
─高精細なラマンイメージングを,素速く簡単に─」

(ナノフォトン株式会社)○齋藤 広大,青木 克仁,足立 真理子

 光を用いた分析手法は数多く存在するが、ラマン分光法はあらゆる状態(固体、液体、ゲル状、等)の試料に対して、特別な前処理を必要とせずに物質同定を行うことが出来る手法である。また光学顕微鏡とラマン分光装置を組み合わせたラマン顕微鏡は、ラマン分光法によって同定された試料成分の空間分布を、サブミクロンに達する空間分解能で可視化(イメージング)する装置である。・・・

キーワード:ラマン分光・イメージング、半導体、高分子、食品、電池

「TDNMRの基礎と応用例」
(ブルカージャパン株式会社)○原 英之

 核磁気共鳴(NMR=Nuclear Magnetic Resonance)は,強い磁場の中に試料を置き,核スピンの向きを揃えた分子にパルス状のラジオ波を照射し,核磁気共鳴させた後,分子が元の安定状態に戻る際に発生する信号を検知して,分子構造などを解析する装置である。化学,物理学,生物学,医学,農業,食品,バイオテクノロジー,医薬品,高分子など,さまざまな分野で使用されている。・・・

キーワード:核スピン、物性評価、磁気共鳴

「3D X線顕微鏡の原理とメリット,測定例の紹介」
(ブルカージャパン株式会社)○中山 悠、高杉 早苗

 物体を破壊することなく内部の情報を可視化する,というニーズは様々な産業分野で今後も進化が期待されている技術である。1970年代に医療用X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)が発明されて以来,CT技術は医療現場のニーズに応えるため進化し,一般に広く認知されるまでになった。それに伴い,1980年代からは産業分野でも技術開発が活発に行われてきた。昨今では複数のメーカーから産業用途の高分解能「X線CT」が発売されている。・・・

キーワード:X線CT、マイクロCT、非破壊観察、内部構造観察

「核磁気共鳴法 化合物の同定,定量分析,構造やダイナミクスの解析」
(ブルカージャパン株式会社)○佐藤 一

 核磁気共鳴Nuclear Magnetic Resonance(NMR)法は原子一個の分離能を有する分光法である。分光分析法の中では低感度であるにも関わらず,試料が溶液または固体の状態で測定できるので,有機化合物,生体分子,材料などの分野に携わる研究者や分析者にとって欠くことのできない分析法となっている。・・・

キーワード:NMR, スペクトル解析,シグナル帰属

「ナノ赤外分光分析 AFM-IR」
(ブルカージャパン株式会社)○横川 雅俊

 赤外分光法(IR: Infrared Spectroscopy)は,材料の化学特性評価法として広く知られている分析手法である。しかしながら,その空間分解能は,光の波動性からくる回折限界のため,使用する光源・測定法により多少の違いこそあれ通常3〜10 μm程度に制限される。・・・

キーワード:原子間力顕微鏡,ナノ赤外分光分析,AFM-IR,Surface sensitive mode

「微弱発光測定法を用いた高感度分析 ~材料の微量酸化劣化を捉える ~ 」
(東北電子産業株式会社)○山田 理恵

 近年、SDGsの観点から環境負荷低減に寄与する新たな技術開発が大学、民間企業共に加速している。安定で高精度、高品質材料の開発、海洋プラスチック対策、リサイクル促進のための新技術が求められ、従来法より一段進んだ高感度分析手法が必要となっている。そこで本技術報告ではフォトン(光子)レベルの微弱発光測定法について述べる。・・・

キーワード:発光、微弱発光、ケミルミネッセンス、酸化、劣化

「電子スピン共鳴法の基礎と応用例 卓上型の装置でもここまでできる!」
(ブルカージャパン株式会社)○原 英之

 電子スピン共鳴 (ESR = Electron Spin Resonance)法とは,ラジカル(不対電子)を持つ試料に磁場中でマイクロ波放射し,マイクロ波とラジカルの間で起こる吸収共鳴の現象を示す。この現象は強磁性体においても観測されるが,ESRの多くの対象物が常磁性体であるため電子常磁性共鳴(EPR=Electron Paramagnetic Resonance)とも呼ばれる。不対電子を非破壊で直接観測する唯一の装置であるESRの最初の信号は1945年にロシアの科学者Zavoiskyによって観測された1)。・・・

キーワード:電子スピン、ラジカル、磁気共鳴、常磁性

「分光蛍光光度計による反射・蛍光画像分離と分光スペクトルの面内分布の推定」
(株式会社日立ハイテクサイエンス)○堀込 純,佐藤 いまり,鄭 銀強

 蛍光材料は、白色LEDや衣服の蛍光増白、有価証券偽造防止のためのセキュリティインクなど生活に密着した製品に応用されている。これら蛍光試料の分光特性は、一般的に分光蛍光光度計を用いて分光スペクトルを評価することが多い。分光スペクトルは、蛍光波長を固定して励起光(照射する光)の波長を走査することで励起波長における蛍光強度の関係を表す励起スペクトルと、励起波長を固定して、蛍光の波長を走査することで蛍光波長における蛍光強度の関係を表す蛍光スペクトルがある。・・・

キーワード:蛍光光度計、分光カメラ、分光画像、蛍光画像

「偏光ゼーマン原子吸光光度計を用いる食品添加物中の鉛の分析」
(株式会社日立ハイテクサイエンス)○坂元 秀之

 厚生労働省消費者庁より発行されている「食品添加物公定書」は食品衛生法第21条に基づき作成され成分規格や製造規格が定められており,平成30年2月に第9版として改訂された。第8版では純度試験の「重金属」は比色法を用いて分析がなされ,鉛相当濃度として試験が行われたが,今回の改定では「鉛」としての項目が掲げられ,新たにフレーム原子吸光分析が採用された食品添加物が多くあった。・・・

キーワード: 食品添加物、フレーム原子吸光分析、偏光ゼーマンバックグラウンド補正法、L-アスコルビン酸

「多目的FTーIR・ラマン分光光度計の開発と応用事例の紹介」
(日本分光株式会社)○田村 耕平

 赤外(infrared, IR)分光法やラマン(Raman)分光法に代表される振動分光法は,分子振動の情報を直接観測できるため,無機物から有機物にいたる様々な物質の構造解析には必要不可欠な分析手法である。これらの手法が活躍する分野は,医薬品・食品,高分子材料,有機・無機材料,半導体,犯罪捜査など多岐に渡り,汎用的な定性分析・定量分析のツールとして広く使用されている。・・・

キーワード:FT-IR、ラマン分光、ATR、レーザーラマン

「フーリエ変換赤外分光光度計プラスチック分析システム「Plastic Analyzer」による劣化プラスチックの分析」
(株式会社島津製作所)○藤 里砂

 大きさ数nm~5mmの微細なプラスチックをマイクロプラスチックと呼ぶ。近年,このマイクロプラスチックが沿岸及び海洋の生態系に悪影響を与え,ひいては人間の健康にも潜在的に影響を及ぼす可能性がある海洋環境問題として,世界的な課題となっている。日本では日本近海に加え,日本から南極に至る広範な海域においての分布調査や,マイクロプラスチックに吸着しているPCB(poly chlorinated biphenyl,ポリ塩化ビフェニル)等の有害化学物質の量を把握するための調査が実施されている。・・・

キーワード:FT-IR、マイクロプラスチック、プラスチック分析システム、紫外線劣化

質量分析関連

「SialoCapper™-ID Kitの開発と応用~質量分析を用いた糖鎖解析のための新しい誘導体化ツール~」
(株式会社島津製作所)○西風 隆司、犬塚 ま子

糖鎖は第三の生命鎖とも呼ばれ、さまざまな生命現象に関与している。近年、全世界でパンデミックを引き起こしている新型コロナウイルス感染症COVID-19の原因となる重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染プロセスにも,他の様々なウイルス同様に糖鎖が関与しているとみられている。SARS-CoV-2やインフルエンザウイルス,HIV ウイルスなどのエンベロープウイルスが脂質膜構造の表面に持つスパイクタンパク質は糖タンパク質であるが,この糖鎖は体内の免疫機構を潜り抜けるため変化するとみられている。・・・

キーワード:

 

「微量分析における質量分析計の感度指標」
(アジレント・テクノロジー株式会社)○芹野 武

一般に,分析化学における微量分析では,検出限界(LOD)の確認が必要である。検出限界とは,物質がない状態のシステムノイズ(ブランク値)と物質がある状態のシグナルが区別できる物質の最低量のことを指す。液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)やガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)などのクロマトグラフと質量分析計を組み合わせたクロマトグラフ質量分析計システムは環境試料や食品試料中の微量に含まれる規制化合物の分析などに使用されている。そのような規制化合物の微量分析の分野では,質量分析計やクロマ
トグラフ,試料の前処理技術などが進化することで分析に適用される分野が拡張されたり,高感度化に伴い規制値の見直しが行われたりすることがある。・・・

キーワード:質量分析、MS/MS、SN比、装置検出下限(IDL)

 

熱分析関連

「試料観察熱分析による樹脂ガラス素材の黄変挙動の評価」
(株式会社日立ハイテクサイエンス)○大久保 信明

近年,自動車や鉄道車両の軽量化,破損の防止等を目的とし,無機ガラスの樹脂材料への代替が進められている。最近では一部の乗用車のサンルーフや,新型新幹線車両の客室の窓などに樹脂製のガラスが採用されている。樹脂ガラスは従来の無機ガラスに比べ,軽量であることや耐衝撃性に優れる等の長所がある一方,高コストであるとともに劣化しやすく材料寿命は無機ガラスより短い。・・・

キーワード:熱分析,熱重量測定,黄変

 

イメージング技術

「組織透明化サンプル用の3D 高速分子ラベリング技術」
(バイオリサーチセンター株式会社)○西尾 将人

今日に至るまで組織観察の手法は,顕微鏡性能の向上や,トランスジェニックのように遺伝子操作を用い特定の部位に蛍光タンパク質(GFP, RFP など)を導入する技術によって飛躍的に発展し,日増しに鮮明な組織内部のイメージを正確に捉えることが可能になっている。特に2 光子や多光子顕微鏡の登場は,今まで捉えることができなかった深部のイメージを局所的に映し出すツールとして汎用されている。しかし,従来の組織観察では,組織全体を立体的・多角的に捉えることが難しい。2 光子や多光子顕微鏡といえども組織の深さ1 mm程度しか光が届かないことから,これまでの組織観察では組織を薄くスライスし,各スライスの顕微鏡画像を重ね合わせて1 枚の立体的な画像を取得するのが一般的である。・・・

キーワード:組織透明化、電気泳動、eFLASH 法、SmartLabel

 

オンサイト分析

「高薬理活性製剤取り扱い現場の環境評価」
(東芝ナノアナリシス株式会社)○熊澤 俊介,竹内 裕貴,小塚 祥二,小沼 雅敬

 医薬品の開発,製造を進めている取り扱い現場では,高薬理活性製剤による他製品への交叉汚染(クロスコンタミネーション),及び製剤の開発や製造に関わる作業従事者への曝露が懸念されており,安全面でのリスクマネジメントの観点から,使用する製剤の気中濃度管理は重要である。また交叉汚染や作業従事者への曝露を回避するためには,外部への飛散影響を抑えた封じ込めの対策が必要である。・・・

キーワード:封じ込め評価、高薬理活性製剤、代替粉体、製薬、曝露

 

「貯水池水質観測技術の開発」
(環境システム株式会社)○鮎川 和泰

 貯水池(ダム湖)のシアノバクテリア(ラン藻類)による水質障害として,Microcystisの異常増殖に代表されるアオコの発生やDolichospermum(ジェオスミン産生種)およびPseudanabaena(2-MIB産生種)などによるカビ臭の発生が顕在化して久しい.アオコは,景観障害とともに周辺への独特な臭いによる弊害をもたらし,カビ臭に対しては,特に水道水源として利用される場合,カビ臭物質の除去対策を講じる必要がある.・・・

キーワード:

 

「簡易水質検査キットによる微量ヒ素のオンサイト比色定量」
(株式会社共立理化学研究所)○村居 景太

 地質由来のヒ素による地下水汚染が世界各地で問題になっている。特に,インドの西ベンガル地方やバングラデシュでは生活用の井戸水の汚染が広範囲に及んでおり,長期間の飲用による健康被害が懸念されている。日本においては,ヒ素の各種環境基準や水道水質基準として0.01 mg L-1,一律排水基準として0.1 mg L-1 が規定されているが,同様に地下水や土壌から基準値を超過するレベルのヒ素が検出される事例が数多く報告されており,水質管理や土壌汚染対策の対象となっている。このため,ヒ素の汚染レベルをオンサイトで迅速に判定可能な簡易分析技術の需要は大きい。・・・

キーワード:オンサイト分析、ヒ素、比色分析、水質検査キット、前濃縮

 

周辺技術

「検査偽陽性の評価方法 5メチルシトシンの脱アミノ化に由来する偽陽性の評価方法」
(株式会社 LSIメディエンス メディカルソリューション本部)○島津 光伸 野上 祥平

肺がんにおけるEpidermal Growth Factor Receptor (EGFR) T790M変異は,チロシンキナーゼインヒビター(TKI)治療により誘発される薬剤耐性変異である.本変異は,ACGからATGへのミスセンス変異,CpGシトシンからチミンへの変異である.。・・・

キーワード:

「マイクロプレートを用いた新たなバイオフィルム評価方法」
(株式会社同仁化学研究所)○江藤 陽介,高口 唯奈,高橋 政孝,中尾 美紀子

バイオフィルムは,細菌などの微生物が産生する菌体外多糖が堆積して高次元構造体を形成したものであり,水が存在する様々な固体の表面などに発生する。微生物はバイオフィルム内に身を置くことで外の環境から守られ,より生存しやすい環境を得ることができる(図1)1)。・・・

キーワード:微生物, バイオフィルム

「スピンカラムを用いた簡便迅速試料前処理
─MonoSpinのアプリケーションと使用方法のコツのご紹介─」

(ジーエルサイエンス株式会社)○太田 茂徳、古庄 義明

各種クロマトグラフィーで分析を行う際、気体、固体、液体問わず、適切な試料前処理を実施した後に、機器へ試料を導入する必要がある。近年は分析機器、特に質量分析計の感度の向上に伴い、より簡便な試料の前処理法が求められている。・・・

キーワード:固相抽出, 生体試料, 遠心分離

「光透過式遠心沈降法による粒子径測定装置の開発 高分解能測定事例の紹介」
(株式会社堀場製作所)○山口 哲司

ナノテクノロジーにより生み出されたさまざまなナノ粒子材料,特に大きさが100 nm以下の粒子(いわゆるナノ粒子)が様々な用途で生成されている1)。 粉体工学の分野では,液中分散ナノ粒子のサイズ分布は,簡便に測定できる動的光散乱法2)(Dynamic Light Scattering,以下DLSという)で測定されることが多い。・・・

キーワード:

「環境DNA分析の「い・ろ・は」 サンプリングから分析・解析まで,実践のための技術」
(株式会社環境総合リサーチ)○玉田 貴, 芝田 直樹

環境DNA分析は遺伝子解析技術を利用して生物の分布・相対量の変化を推定することのできる生物調査手法である。水や空気などの環境媒体から遺伝物質を収集・分析することで情報を得る。・・・

キーワード:環境DNA, PCR, NGS,リアルタイムPCR, 次世代シーケンサー

「ナノインデンターを用いた機械的評価手法 ナノスケールの硬さ・弾性率・スクラッチ・DMA評価手法の紹介」
(ブルカージャパン株式会社)○二軒谷 亮

近年の各種デバイスの小型化に伴い、それに用いられる材料の特性評価手法も小型化してきている。材料の機械的特性の評価手法として、これまで引っ張り試験やビッカース硬さ試験などが汎用的に用いられてきたが、これらの手法ではナノ~マイクロスケールの小型化した材料を評価することが困難な場合が多い。そのため、薄膜・微小構造の機械的特性を評価可能な手法としてナノインデンテーション法をはじめとする様々な評価手法が開発されてきた。・・・

キーワード:ナノインデンテーション、ナノDMA、ナノスクラッチ、硬さ

「自動抽出装置を使った血漿、尿、糞便サンプルの胆汁酸39種類の迅速プロファイリング」
(株式会社島津製作所)○Aurore Jaffuel, 國澤 研大, 堀江 征司, 渡辺 淳

胆汁酸(BA)はコレステロール代謝に必須であり、小腸における脂肪の吸収に重要な役割を果たしてる。さらに、代謝を調節するシグナル分子としても働いている。肝臓でコレステロールの異化により産生され、タウリンまたはグリシンとの抱合により一次胆汁酸に合成される。一部の一次胆汁酸は、後に腸内細菌により修飾され、二次胆汁酸が産生される。・・・

キーワード:LC/MS/MS、胆汁酸、自動前処理

「超純水を高感度分析に用いる際の注意点 超純水装置の問題」
(ヴェオリア・ジェネッツ株式会社)○黒木 祥文

分析において「水」は最もよく使われる試薬であり溶媒である。高感度な機器分析には分析用水として非常に高純度な超純水が必要である。超純水の精製過程では、水中の不純物を除去するために多くの処理過程が施されている。一般的に超純水装置は水道水などを一次処理した蒸留水、逆浸透水などを原水として、活性炭、イオン交換樹脂およびフィルターの組み合わせによって精製が行われる。さらに微量有機物分析に対応するために185nm以下の短波長の紫外線の照射が可能なUVランプを採用している。このUV照射の効果により超純水中に残存する有機物濃度はTOC 1~3ppb程度にまで低減されている。・・・

キーワード:純水、微量分析、不純物、コンタミネーション、高感度化

>