公益社団法人 日本分析化学会の機関誌「ぶんせき」のホームページです。「ぶんせき」誌の記事および「ぶんせき」に関連した情報を掲載しています。

技術紹介

分析化学機器等に関する技術的サポートを目的とした記事のページです。

各メーカーが自社製品の紹介のみならず、新たな使用方法、より高精度な測定を目指す手順など、実践的な方法を紹介する報文を掲載しています。記事のタイトルをクリックすると別タブで記事PDFファイルが開きます。

 

クロマトグラフィー関連

有機溶媒中微量陰イオンの定量  インラインマトリックス除去―イオンクロマトグラフィー
(メトロームジャパン(株))○小林 泰之,山本 喬

 イオンクロマトグラフィー(IC)は水試料中の無機イオンの定量法として広く利用されてきたが,近年は,工業原料・材料,食品,生体等の中の無機イオンの定量にも使用されている。特に,半導体製造等で使用される有機溶媒中の微量無機イオンの定量に対するニーズは高い。しかし,試料に含まれる高濃度マトリックスは保持時間変動やピーク形状変形などの妨害1)を引き起こし,ときにはカラム性能を低下させることもある。・・・

キーワード:イオンクロマトグラフィー、固相抽出法、インライン濃縮、マトリックス除去

 

分光関連

偏光ゼーマン原子吸光光度計を用いる食品添加物中の鉛の分析
(株式会社日立ハイテクサイエンス)○坂元 秀之

 厚生労働省消費者庁より発行されている「食品添加物公定書」は食品衛生法第21条に基づき作成され成分規格や製造規格が定められており,平成30年2月に第9版として改訂された。第8版では純度試験の「重金属」は比色法を用いて分析がなされ,鉛相当濃度として試験が行われたが,今回の改定では「鉛」としての項目が掲げられ,新たにフレーム原子吸光分析が採用された食品添加物が多くあった。・・・

キーワード: 食品添加物、フレーム原子吸光分析、偏光ゼーマンバックグラウンド補正法、L-アスコルビン酸

多目的FTーIR・ラマン分光光度計の開発と応用事例の紹介
(日本分光株式会社)○田村 耕平

 赤外(infrared, IR)分光法やラマン(Raman)分光法に代表される振動分光法は,分子振動の情報を直接観測できるため,無機物から有機物にいたる様々な物質の構造解析には必要不可欠な分析手法である。これらの手法が活躍する分野は,医薬品・食品,高分子材料,有機・無機材料,半導体,犯罪捜査など多岐に渡り,汎用的な定性分析・定量分析のツールとして広く使用されている。・・・

キーワード:FT-IR、ラマン分光、ATR、レーザーラマン

フーリエ変換赤外分光光度計プラスチック分析システム「Plastic Analyzer」による劣化プラスチックの分析
(株式会社島津製作所)○藤 里砂

 大きさ数nm~5mmの微細なプラスチックをマイクロプラスチックと呼ぶ。近年,このマイクロプラスチックが沿岸及び海洋の生態系に悪影響を与え,ひいては人間の健康にも潜在的に影響を及ぼす可能性がある海洋環境問題として,世界的な課題となっている。日本では日本近海に加え,日本から南極に至る広範な海域においての分布調査や,マイクロプラスチックに吸着しているPCB(poly chlorinated biphenyl,ポリ塩化ビフェニル)等の有害化学物質の量を把握するための調査が実施されている。・・・

キーワード:FT-IR、マイクロプラスチック、プラスチック分析システム、紫外線劣化

質量分析関連

微量分析における質量分析計の感度指標
(アジレント・テクノロジー株式会社)○芹野 武

一般に,分析化学における微量分析では,検出限界(LOD)の確認が必要である。検出限界とは,物質がない状態のシステムノイズ(ブランク値)と物質がある状態のシグナルが区別できる物質の最低量のことを指す。液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)やガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)などのクロマトグラフと質量分析計を組み合わせたクロマトグラフ質量分析計システムは環境試料や食品試料中の微量に含まれる規制化合物の分析などに使用されている。そのような規制化合物の微量分析の分野では,質量分析計やクロマ
トグラフ,試料の前処理技術などが進化することで分析に適用される分野が拡張されたり,高感度化に伴い規制値の見直しが行われたりすることがある。・・・

キーワード:質量分析、MS/MS、SN比、装置検出下限(IDL)

 

イメージング技術

組織透明化サンプル用の3D 高速分子ラベリング技術
(バイオリサーチセンター株式会社)○西尾 将人

今日に至るまで組織観察の手法は,顕微鏡性能の向上や,トランスジェニックのように遺伝子操作を用い特定の部位に蛍光タンパク質(GFP, RFP など)を導入する技術によって飛躍的に発展し,日増しに鮮明な組織内部のイメージを正確に捉えることが可能になっている。特に2 光子や多光子顕微鏡の登場は,今まで捉えることができなかった深部のイメージを局所的に映し出すツールとして汎用されている。しかし,従来の組織観察では,組織全体を立体的・多角的に捉えることが難しい。2 光子や多光子顕微鏡といえども組織の深さ1 mm程度しか光が届かないことから,これまでの組織観察では組織を薄くスライスし,各スライスの顕微鏡画像を重ね合わせて1 枚の立体的な画像を取得するのが一般的である。・・・

キーワード:組織透明化、電気泳動、eFLASH 法、SmartLabel

 

オンサイト分析

簡易水質検査キットによる微量ヒ素のオンサイト比色定量
(株式会社共立理化学研究所)○村居 景太

 地質由来のヒ素による地下水汚染が世界各地で問題になっている。特に,インドの西ベンガル地方やバングラデシュでは生活用の井戸水の汚染が広範囲に及んでおり,長期間の飲用による健康被害が懸念されている。日本においては,ヒ素の各種環境基準や水道水質基準として0.01 mg L-1,一律排水基準として0.1 mg L-1 が規定されているが,同様に地下水や土壌から基準値を超過するレベルのヒ素が検出される事例が数多く報告されており,水質管理や土壌汚染対策の対象となっている。このため,ヒ素の汚染レベルをオンサイトで迅速に判定可能な簡易分析技術の需要は大きい。・・・

キーワード:オンサイト分析、ヒ素、比色分析、水質検査キット、前濃縮

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